リノベーションのきっかけ
娘さんが大学を卒業し社会人になったタイミングで、夫婦ふたりの新たな暮らし方を考えるようになったと言うF様ご夫婦。これから年を重ねていき、足腰が弱くなり思うように動けなくなったとしても、安心して住み続けることができる家で暮らしたいと望まれていました。また、F様ご自身のご両親が車いすでの介護生活で苦労されている姿を目の当たりにしてきた経験から、自分たちの住まいはバリアフリーのつくりにしたいという想いがありました。お二人の願いを形にした住まいをつくるために、リノベーションを決意されました。
快適な今の暮らしと、車いす生活を想定した住空間
今後長く住み続けていく中で、年を重ね、もし車いすを使うようになった場合でも暮らしやすいように、車いすでの生活を想定したリノベーションをプランニングしました。へこみ傷等がつきにくいフローリングを選定し、部屋と部屋の間の段差やレールも無くしたので、車いすでの移動も心配いりません。玄関は引き戸扉にして出入りがしやすいように間口を広くとり、段差を低くしたので安全に家の中に出入りができます。
また、トイレ、洗面所、浴室の水まわりもアクセスしやすいようにLDKのすぐそばに配置。洗濯、掃除などの家事は毎日行うものだからこそ、できるだけ時間や労力をロスしない、効率の良いレイアウトにしました。「水まわりがまとまっているので、掃除がしやすくきれいな状態を保てるようになったのがうれしいです」と、家事もはかどり日々の生活にゆとりを持てるようになったそうです。また、車いすでも余裕で動ける通路幅を設けたキッチンは、2人で作業してもゆとりがあるので、娘さんが帰省した時に料理を一緒に作ったり、お茶をいれながら会話を楽しんだりと、家族の大切なコミュニケーションの場となりました。今の生活も快適に、そして車いすを使うようになった場合でもスムーズな暮らしが実現できる住空間となりました。
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それぞれ好きな場所でくつろぎながらでもふたりの距離が近いLDK。
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広く白を基調にした明るいキッチンで、娘さんとのお料理も楽しくなっちゃいます。
暮らしの変化に合わせて可変できる住まい
小上がりにした和室は床下収納スペースとして活用できるようになっており、足を伸ばしたり少し横になって休みたい時などにも、多目的に和室を活用することができます。また、車いす生活になった時には座った姿勢のまま移動できるので、寝室として利用できるなど先々の状況に合わせて可変性のあるつくりとなっています。ブラインドで簡単に仕切りができるので、「娘が帰省した時は和室に布団を敷いて寝室として使ったりもできてとても便利です。」と用途に合わせてさっそく使い分けられているF様。他にも、洗濯機を階段手前の物置に移設可能など、家の随所に可変できる工夫をしているので、その時どきのF様ご夫婦が過ごしやすいかたちで暮らし方を変えていくことができる住まいになりました。
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好きな過ごし方ができる和室はお気に入りの場所に。
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ブラインドで簡単にプライべート空間が完成。
リノベーションを終えて
F様ご夫婦から、「家がより広く感じられ、私達の希望が叶ったとても居心地の良い素敵な家になりました。何度も打合せをして、私たちが納得いくまでとことん付き合っていただき、本当に感謝しています。ありがとうございました。」とお喜びの声をいただました。
築50年が経過した戸建てが、リノベーションによって吹抜けからのやさしい自然光が入る、年を重ねても安心して住み続けることができる快適なお住まいへと生まれ変わりました。
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吹き抜けからやさしい自然光が入るリビング。
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広い寝室で、ベッドへの移動もスムーズ。