『リノベーションのきっかけ』
親子3世代でお住まいのI様ご家族。約30年住んでいるというマンションの収納が女性3人の暮らしには少なくお困りでした。また、集合住宅特有の悩みともいえる"暗くて狭い"水まわりや家具をどのように配置すれば良いのか分からないリビングも悩みの1つになっていました。「家族全員がゆったりと癒されながら暮らしたい。」「終の棲家を作りたい。」定年を間近に控えたお施主様のそんなご要望を叶えるために、マンションリノベーションが始まりました。
『癒しを感じられる空間=自分たちのお気に入りがある空間』
I様の家をつくる上でのコンセプトは「癒しの空間」。ゆったりと時間が流れ、家に居るのが楽しくなるような空間をつくるために、内装には特にこだわっています。「長く良いものを使いたい」というI様の思いに沿うよう、床には使い込むほど味がでるフローリング材を、壁には快適な湿度を保ってくれる珪藻土を選定しました。取り分けインテリアにこだわりがあったI様。元々持っていた家具と雰囲気の合う家具を選定し、それらをベースに空間をつくっていきました。
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ブラックチェリーのフローリングと緑のラグの組み合わせは、飽きがこなくておしゃれに見える、まさに一石二鳥の組み合わせだ。
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素材の温かさを感じられるインテリア。シンプルだが居心地の良さが伝わる。
『希望のライフスタイルを叶えるために重要なのは「照明」』
癒しの空間を演出するためにもう1つ重要なモノがあります。それは"照明"。光は雰囲気をつくるのに欠かせない要素です。I様の家においても、リビングに設置された照明が空間づくりのキーポイントになっています。一般的な家に多い照明といえば天井付のシーリングライト、もしくはダウンライト。今回は落ち着いた雰囲気でゆっくり過ごしたいというI様の思いから、ペンダントライトとスポットライトをリビングの中央部分に、その周囲にはダウンライトを配置。照明の光が直接床面を照らすのではなく、間接的な光をつくり出すことで優しい印象を生みだしています。TV台の背面壁上部の間接照明もそのひとつ。電球の色も空間の雰囲気に合わせるとよりまとまり感がでるので、今回は暖色の電球を採用しました。

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TV台上部の間接照明。優しい光が空間を照らす。
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リビングとダイニングで異なるペンダントライトは、シンプルなデザインで飽きのこないアクセントに。
『最大の悩みだった収納の少なさも見事解決』
I様ご家族がとても悩んでいた収納問題、いったいどのように解決したのでしょうか?その答えは、リビングのTVボード背面に設けた大容量の収納です。動線も考慮したオープンタイプと扉付きタイプの両方を設置したことで、用途に合わせた収納スペースの使い分けができるようになりました。また、この収納スペースは空間を区切る役目も持ち合わせていて、ひとつの空間でありながら、メリハリのある生活空間+収納+動線の3つを同時に叶えたLDKとなりました。さらにもう1つ、間取りを考える上でこだわった部分がリビング脇の寝室から書斎までの繋がりです。お互いが気遣いながらもストレスフリーに過ごせるよう、可動式のパーテーションや大きく開口出来る3枚の引き戸を設置したことで、家族3人それぞれのライフスタイルを保ちながら生活できる家になりました。
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大容量の収納スペースは、見せる収納と隠す収納の使い分けが可能に。
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寝室と書斎スペースは可動式のパーテーションで区切ることができる。用途に合わせて形を変えられるのは便利だ。